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(青空文庫より転載させて頂いております。) 我鬼 坂口安吾 秀吉は意志で弱点を抑へてゐた、その自制は上り目の時には楽しい遊戯である。盛運の秀吉は金持喧嘩せず、心気悠揚として作意すらも意識せられず、長所だけで出来あがつた自分自身のやうであつた。彼は短気であつたが、あべこべに腹が立たなくなり、馬鹿にされ、踏みつけられ、裏切られ、それでも平気で、つまり実質的な自信があつた。 家康に卑屈なほどのお世辞を使ひ、北条の悪意のこもつた背信に平然三年間も人事のやうに柳に風、すべては昇運の勢である。けれども、実際は狭量で、変質的に嫉妬深く、小さなことを根にもつて執拗に又逆上的に復讐する男であつた。その気質を家康は知つてゐた。それに対処する方法は、親しんで狎れず、といふことで、一定の距離を置き、その距離を礼節で填(う)める方法だつた。 朝鮮遠征は一代の失敗だつた。秀吉は信長以上の人物を知らないので、信長のすべてを学んで長をとり短をすてたが、朝鮮遠征も信長晩年の妄想で、その豪壮な想念がまだ血の若い秀吉の目を打つた。それは信長晩年の夢の一つといふだけで、たゞ漠然たる思ひであり、戦場を国の外へひろげるだけのたゞ情熱の幻想であり、国家的な理想とか、歴史的な必然性といふものはない。秀吉は日本を平定して情熱が尚余つてゐたので、往昔ふと目を打たれた信長の幻想を自分のかねての宿志のやうにやりだしたのだが、彼は余勢に乗りすぎてゐた。明とは如何なる国であるか、歴史も地理も知らない。たゞ情熱の幻想に溺れ、根柢的に無計画、無方針であつた。 遠征に賛成の大名は一人もなかつた。気宇の壮、さういふものへの同感はなほ漠然と残つてゐても、戦乱に倦み疲れてゐた。風俗人情の異る土地を占領しても平穏多幸に統治し得るとは思はれぬ。大名達は恩賞の新領地を旧主の情誼から切離して手なづけるだけでも手をやいてゐる。三成も家康も不満であつた。三成は淀君を通して遠征をやめさせようと試みたが駄目だつた。その三成も家康も、国内事情と思想から割りだした不満はあつたが、明とは如何なる国であるか、やつぱり知つてゐなかつた。 鶴松が死んだ。五十をすぎ、再び授り得ようとは考へられない子供であつた。秀吉は気絶し、鶴松を思ひだすたび日に幾度となくギャアと泣いて気を失ふ。食事も喉を通らず、たまたま茶碗をとりあげても、鶴松を思ひだすと茶碗をポロリととり落してこぼれた御飯へ顔を突つこみギャアと泣いて俯伏(うつぶ)してしまふ。 お通夜の席で秀吉は黙祷の途中にやにはに狂気の如く髷(まげ)を切つてなきがらにさゝげて泣きふした。つゞいて焼香の家康が黙祷を終つて小束(こづか)をぬいて大きな手で頭を抑へてヂョリヂョリとやりだしたので一座の面々目を見合せた。各々覚悟をかためて焼香のたびに髷をきる。天下の公卿諸侯が一夜にザンバラ髪になり、童の霊前には髷の山がきづかれた。 秀吉は翌朝有馬温泉へ発つた。家にゐては思ひだして、たまらない。秀吉が頭を円めて諸国遍歴に旅立つさうだといふ噂が世上に流れた。有馬の滞在三週間、帰城して即日朝鮮遠征のふれをだした。悲しみに気が狂つて朝鮮遠征をやりだしたと大名共まで疑つたほどだ。 朝鮮軍は鉄砲を持たないから戦争は一方的で京城まで抵抗らしい抵抗もなく平地を走るやうなものであつたが、明の援軍が到着すると、さうはいかない。対峙して一進一退、戦局は停頓する。日本海軍は朝鮮海軍の亀甲戦術に大敗北、京城への海路輸送の制海権を失つたから、釜山航路がひとつだけ、こゝへ陸揚げして陸路京城へ運送するには車が足りない馬が足りない人手が足りない。日本軍の過ぎるところ掠奪暴行、威令は行はれず、統治管理の方針がないので、人民は逃避して、畑には耕す者がなく、町々の家屋には人影がなく、徴発の食糧も人手もなかつた。全軍栄養失調で、太平洋の孤島へ進出した日本軍と同じこと、冬があるだけ苦痛が一つ多かつた。 始めのうちは名護屋へつめて戦果に酔つてゐた秀吉も、一度京坂の地へ引きあげると、もう名護屋へ戻る気がしなかつた。西の空を思ひだしても不快であつた。 秀頼が生れた。 生れた秀頼をいつぺん捨子にして拾ひあげるのは長生きの迷信で、拾つた子供だから俺の子供ではない、そもじもさう思はねばならぬと淀君へ宛てゝくどく手紙をかく秀吉であつた。閻魔をだますに余念もなく、子への盲愛が他の一切の情熱に変つた。 秀吉の切望は秀次の関白を秀頼に譲らせたいといふことだ。生れたばかりの秀頼を秀次の娘(これも生れたばかり)と許婚の約をむすばせる。そのとき秀次は熱海に湯治の最中であつた。そこへ使者がきて秀吉の旨を伝へたが、勝手にするがいゝさ、秀次は陰気な顔をそむけたばかりで、却つて帰洛の予定を延して旅寝の陰鬱な遊興に沈湎した。 京大坂で豪華な日夜をくりひろげてゐる秀吉は、然し凋落の跫音(あしおと)に戦いてゐた。朝鮮出兵の悔恨が、虚勢の裏側で暗い陰をひろげてゐる。その結末の収束と責任と暗い予感が虫のやうに食ひこんでゐた。たゞ成行にまかせて成算も見透しも計画すらもないこと、彼はそれを誰に咎められることもなく怖れる必要もなかつたが、何物かに、怖れずにゐられなかつた。それが先づぬきさしならぬ凋落であつた。 如何にして秀頼に関白を譲らせるか。勢運の秀吉は我慾を通す必要がなく、人々がおのづから我慾をみたしてくれたが、凋落の秀吉は我慾と争ひ、否応なく小さな自分を見つめなければならなかつた。自制の鎖は断ち切れようとし、我慾の中に明滅する小さな自分の姿に怖れた。然し、秀吉の小さな惨めな人間をさらに冷めたく凝視してゐる一人の青年がゐたのだ。秀次であつた。 秀次は関白になることなどは考へてゐなかつた。彼は秀吉の養子のうちで最も秀吉に愛されてをらず、十七の年には長久手の合戦に家来を置き去りに逃げ延びて、秀吉の怒りにふれて殺す命を助けてもらつた。小器用でこざかしくて性格的に秀吉の反撥を買ふ。彼はおど/\と育ち、彼と秀吉との接触は彼の長所がいつも反撥され憎まれることであり、性格以外に深い根柢のないものだつた。学問すらも、教養すらも、性格的に反撥され、反撥する秀吉自体の教養は秀次を納得させるものではなかつた。秀次は秀吉の小さな人間だけを相手におど/\と育ち、天下者の貫禄に疑ひを持ち、その卑小さを蔑んだ。 鶴松が死ぬ。秀吉はもはや実子の生れる筈がないと思つた。彼の愛する養子秀秋は暗愚であつた。秀吉は利巧者より愚か者が好きであり、その偏向は家来に就ても同様で、豪傑肌の愚直な武骨者が好きなのだ。さすがに天下の関白に暗愚な秀秋を据えかねて秀次に与へたのだが、成行のすべてが秀吉に満足なものではなかつたのである。 はからざる関白となり、天下の諸侯公卿は昨日と変つて別の如くに拝賀する。秀次は現実の与へる自分の姿を見出した。自分の心も見出した。その現実は秀吉の与へてくれたものだつたが、現実から育つ心に過去はない。彼は関白秀次であつた。 秀次は大名を相手に将棋をさすにも、関白と思つてわざと負けるのではあるまいな、さうでない誓言をとり、それから将棋をさしはじめる。一応人の心はよく分り、特に秀吉の小さな自我に虐げられ痛めつけられた人の不満はよく分つた。彼はそれらの犠牲者達に、たとへば戦功がありながら鬼才を憎まれて恩賞のない黒田如水に自分の所領から三千石の沐浴料をさいてやつたり、不運不遇の大小名に秀吉の間違ひを修正する意味で黄金を与へたり領地をやつたりする。彼は秀吉の小さな欠点を修正して、それとは別なところにある秀吉の大きさよりも、自分を大きく感じて満足した。彼は古(いにしえ)の武将の書き残したもの逸事などから、秀吉にない素質を見ると大袈裟に感動し、つまらぬ武将の一面を賞讃して秀吉への否定をたのしんでゐた。その秀吉への反逆は憎悪と軽蔑で表されてゐたが、内心は秀吉の大きな影に圧倒せられ、力量の完全なる敗北感と、そして偉大なる魂に甘へる心、秀吉の大きな慈愛の抱擁と認められ愛され賞讃されたい悲しい秘密でみたされてゐた。彼すらも悲しい秘密に気付くことは稀だつた。そして秀吉への対立感と、秀吉の小さな自我への軽蔑によつて、憎み否定し満足してゐた。 文事や風流への傾倒にも秀吉を修正する満足があつた。然し人々は彼が秀吉の小さな欠点を修正して満足し、それとは別のところにある大きな秀吉を不当に抹殺してゐる小ざかしさを憐れみ蔑んだ。そして秀吉への修正的な好意を受ける大名達は喜ぶよりも煙たがり、内心はうるさがつてゐるのであつた。 秀頼が淀君の腹に宿つたときから、秀次はその宿命に暗い陰のさしたことをすでに漠然と戦いてゐた。彼は秀吉の外征すらも自分に対する陥穽がその本当の意味ではないかと疑つた。彼が異国に執着するのはそこへ自分を封ずるためであり、ていよく日本から追ひだすためだと考へる。それは筋の立たない妄想であつたが、人の企みは首尾一貫筋を要するものではなく、偶発し、事態の変に応じて育つものである。時々遠征から戻つてきて祗候する大名達は彼が老齢の太閤に変つて遠征軍の指揮を引受けて申出ることをほのめかしたが、そこが秀吉の思ふ壺だと考へた。然し、実際の心情は現実の快楽に執着しすぎ、戦野の労苦に堪へる心がなかつたのだ。その言訳の妄想だつたが、俺が異国へ行く、あとの日本は親子水入らずさ、悪魔的な陰鬱な笑ひをもらす秀次には、憎悪と裏切りの快感だけが心の底に埃のやうにつもつてゐた。 彼の心は連日の深酒と荒淫で晴れ間のない空の如くに陰鬱であつた。諸国の美女をあつめても心は晴れず、魂は沈みこむばかりであつた。不健康は顔にあらはれ、面色は黄濁し、小皺がつもり、口が常にだらしなく開き、顔の長さが顎から下へ延びて垂れてゐるやうな様子であつた。眼だけが陰気に光つてゐた。彼は生きた人体の解剖に興味を持ち、孕み女の生き腹をさき、盲人をやにはに斬つてうろたへぶりをたのしみ、死ぬ人間の取りみだしたけたゝましさ見ぐるしさに沈鬱な魂をわづかに波立たせた。食事の飯に砂粒があつたといふので料理人をひきだして口中へ砂をつめて血を吐くまで噛ませ、貴様は砂が好きなさうな、もそつと噛め、俯伏すのを引起して片腕をスポリと斬落して、どうぢや、命が助かりたいか、ハイ、助かりたう厶(ござ)ります、左様か、然らばかうしてとらせる、残る片腕をスパリと斬落す、どうぢや、まだ、助かりたいか、料理人はクワッと眼を見開いて、馬鹿野郎、貴様の口は鮟鱇に似て年中だらしなく開いてゐるから砂があるのは当り前だ。秀次は気違ひのやうにその首を斬落した。 ★ 熱海温泉で秀吉の苛立つ様を思ひ描いてことさら逗留を延してゐた秀次は、小さな鬱を散ずるあまり大きな敵を自ら作つた後悔に苦しんだ。彼は自ら秀吉を敵と思はねばならなかつた。すべてを悪意に解釈して、それを憎まねばならなかつた。然し彼は秀吉の冷めたい心、その怖ろしい眼の色を知つてゐた。彼はその眼を思ひだして、いはれなく絶望せずにゐられなかつた。 彼が関白の格式で公式に太閤を招待する饗宴がまだ延び延びになつてゐた。そしてやうやく定められた饗宴の当日に使者がきて、訪問中止を伝へた。世上では秀次が秀吉を殺さなければ、秀吉が秀次を殺すであらうと噂され、秀次の計画が裏をかゝれたのだと取沙汰した。然し世上の流説は秀次の身辺ではさらに激烈な事実であつた。彼の侍臣は常に彼にさゝやいた。殺さなければ、殺される。然し、秀次は応じなかつた。彼は小心な才子であり、自己の限界を知つてゐた。秀吉を殺しても天下はとれぬ。太閤あつての関白であり、太閤あつての味方であつた。彼は侍臣のさゝやきに、また世上の流説にとりまかれ、然し、ひそかに、殺さなければ殺されないと必死に希つてゐるのであつた。 彼は絶望しなかつた。絶望してはならないのだ。日を改めて秀吉を招待する。彼は必死であつた。殺さない、それを秀吉に分らせたい。もし秀吉が疑つたら、彼は気違ひになりさうだ。そして秀吉が疑ることを考へると殺したいほど憎かつた。秀吉の数日の滞在を慰めるための催しも、饗宴の食物も、彼は一々指図した。彼は心をこめてゐた。熱中した。そして苛立つ毎日に人を殺したくなるのであつたが、太閤がそれを好まぬことを知ると、それも我慢するのであつた。 秀吉は饗宴に応じ、連日のもてなしに満足したが、異変にそなへて部屋々々には武器をかくした秀吉の軍兵たちがつめてゐた。三日目の夜、狂言の舞台を移すために人足達が立騒いだとき、町の人々はたうとうやつたと考へた。 秀吉は名護屋で能の稽古をはじめた。人見知りせずやりたてる流儀であるから長足の進歩をとげ、秀吉自身も案外な上達ぶりであつた。得意想ふべし、暇さへあれば稽古に余念がなく、天覧に供し、大名に見せ、妻妾侍女に見せ、果は京都の町家の女子衆も一人あまさず悩殺してやらうといふので一般に公開して見物させ、頻りの興行、ほめる者には即座に着てゐる着物まで脱いでくれてやる。彼の「芸術」への情熱と没入は言ふまでもなく余技であり趣味であり冗談ごとですらあつたのに、所詮うぬぼれは自尊心で、秘められた凋落の不安と自信の喪失は、冗談ごとのうぬぼれにいはれのない奇妙ないのちをこめてゐた。 大坂城で能の興行が行はれ、秀次も招ぜられて出席した。秀吉の仕舞は喝采をあびたが、もとめに応じて立上つた秀次の演技は更に満座の嘆賞をさらつた。秀次は特別仕舞に巧者であり、我流の秀吉や武骨な大名どもに比べれば雲泥のみがきのかゝつた芸だつた。太閤の不満と嫉妬と憎しみはかきたてられ、その眼の底に隠しきれずに氷つてゐた。つゞいて織田信雄がもとめられて演じたが、信雄は信長の遺子であり、怖れを知らぬ青年の頃は家康と結んで秀吉と戦ひ、後に厭まれて秋田へ流され、家門の尊貴のみによつては自立し得ざる力の世界、現実の冷めたさを見つめてきた。今は召されて秀吉のお伽衆の一人であつたが、彼の心は卑屈にゆがみ、浮世の悲しさが泌(し)みついてゐた。信雄は秀吉の燃える憎悪の眼にふるへた。彼はとりわけ下手くそに演じた。秀吉の同情は切実だつた。彼は即座に六千石の墨附を与へて労をねぎらひ、傍へよびよせて父信長に愛された頃の思ひ出を語り、その取立ての厚恩、海よりも深く山よりも高い恩義を思へばそなたを辺地へ流したことは苛酷な仕打のやうであるが、今日のそなたの心掛けが見たい為のことであり、その忠勤の心差(こころざし)一つで益々所領をとらしてやりたい微意であつた、と語りながらポロ/\と涙を流した。 秀次ははからざる秀吉の嫉妬と憎悪に心が消えた。この招待の返礼に、そして太閤の意外な憎悪のつぐなひのために、善美のかぎりの饗宴へ招きたいと思つた。秀吉も承諾したので、あれこれ指図して待ちかまへると、当日になつて、今日はだめだが、明日にしようといふ。その日になると、又、明日だ、と言ふ。その明日も亦(また)今日はだめだといふ返事で、そして最後に当分延期だと流れてしまつた。秀吉の目の消えぬ憎悪が伝へられる返事の裏から秀次に見えた。やがて憎悪は冷笑に変り、血に飢えてカラ/\笑つて見えるのだつた。秀次の心には憎悪と戦慄が掻き乱れて狂つたが、殺さなければ殺されない、その秘められた一縷の希ひも絶望にすら思はれた。彼はむやみに人を殺した。深酒に酔ひ痴れ、荒淫に身を投げ沈鬱の底に重い魂が沈んでゐた。彼の心は悲しい殺気にみちてゐた。彼は武術の稽古を始めた。秀吉を殺すためのやうであつたが、襲撃にそなへ身をまもるための小さな切ない希ひであつた。出歩く彼は身辺に物々しい鉄砲組の大部隊を放さなかつた。いつ殺されるか分らない。然し、殺さなければ殺されない、その希ひは益々必死に胸にはゞたき、見つめる虚空に意外な声があふれでた。叔父さん、私はあなたを愛してゐます。こんなにも切なく。私のやうな素直な弱い人間を。神様。 ★ 秀吉は大度寛容の如くであるが、実際は小さなことを根にもつて執拗な、逆上的な復讐をする人だつた。千利久も殺した。蒲生家も断絶させた。切支丹禁教も二隻の船がもとだつた。その最後の逆上までに長い自制の道程があり、その長さ苦しさだけ逆上も亦強かつた。 秀吉は大義名分を愛す男であつた。彼は自分の心を怖れた。秀頼への愛に盲(めし)ひて関白を奪ふ心を怖れた。人の思惑はどうでもよかつた。自分をだますことだけが必要だつた。能の嫉妬は憎悪の陰から秀頼の姿を消した。その憎しみにかこつけて、あらゆる憎悪が急速に最後の崖にたかまつてゐた。 彼は突然世上の浮説を根拠にして秀次の謀叛に誓問の使者をたて、釈明をもとめた。秀次はその要求に素直であつた。直ちに斎戒沐浴し白衣を着け神下しをして異心の存せざる旨誓紙を書いた。彼は必死であつた。生きねばならぬ一念のみが全部であつた。彼は現世の快楽に執着した。その執着の一念であつた。 秀吉は秀次の性格を知つてゐた。こざかしい男であるが、小心で、己れを知り、秀吉の愛に飢えてゐるのだ。五人の使者から身の毛もよだつ神下しの状景をきゝ一念こらして誓紙に真心をこめてみせる秀次の様子をきくと、彼はほろりと涙もろくなるのであつた。彼は誓紙を手にとると唐突に亢奮して膝をたて感動のためにふるへてゐた。彼は誓紙を侍臣に示して、関白の忠義のまごゝろは見とゞけた。これを見よ、世上の浮説は笑ふべきかな。血は水よりも濃し。まして誠意誠実の関白に異心のあらう筈はない。口さがない百万人の人の言葉はどうあらうとも、一人の肉身の心の中は信じなければならぬものよ。そなたらもこれを今後の鑑(かがみ)にせよ、秀吉は見廻し眺めて大音に喚いたが、尚亢奮はをさまらず誓紙をぶら下げて部屋々々を歩き、行き会ふ者に、女中にまで誓紙を示して、心に棘のある者のみが人の心に邪念を想ふ、神も照覧あれ、秀次の心に偽りはない、叫ぶ眼に顔があふれた。 けれどもすでに使者を立て異心なきあかしを求めた秀吉は心の堰を切つてゐた。誓紙を握つてホロリとする秀吉は、切られた堰の激しさがその激しさの切なさ故に自らむせぶ心の影のくるめきに過ぎなかつた。一週間。その時間が切られた堰の逆上的な奔騰に達するまでの時間であつた。五人の使者がでた。使者の一人は戦場名うての豪傑の大名だつた。喚問に応じなければその場で秀次の首をはねる役だつた。さうすれば彼もその場で腹を切らねばならぬ。豪傑も慌てゝゐた。道の途中に知人のまんじゆう屋があつた。そこへ馬を寄せて形見の小袖をやり家族へ遺書を托して馬を急がせた。然し秀次は素直に応じた。豪傑は又まんじゆう屋の店へ寄り、さつきは失礼、いやどうも今日は天気のまぶしいこと、豪傑は汗をふいた。 秀次は登城する、秀吉は会はなかつた。もはや会ふにも及ばずと口上を伝へ、即刻高野へ登山すべしと云ふ。秀次は観念して直ちに剃髪、袈裟をつけて泊りを重ねて高野へ急ぐ。切腹の使者があとを追つた。 秀吉の一生の堰が一時にきられた。奔流のしぶきにもまれて彼のからだがくる/\流れた。耳もきこえず、目も見えず、たつた一つのものだけが残つてゐた。秀頼。秀頼。秀頼。彼は気違ひだつた。秀次の愛妾達とその各々の子供達三十余名が大八車につみこまれ三条河原にひきだされて芋のやうに斬り殺され、河原の隅に穴がほられて、高野から運び下された秀次の死骸と合せて投げこまれて、石が一つのせられた。その石には悪逆塚と刻(ほ)らせてあつた。 秀吉は子供の頃を考へる。彼は悪童であつた。放恣であつた。然し、そのころが、今よりも大人のやうな気がするのだ。何かの鞭を怖れてゐた。怖れのために控えてゐたが、やりたいことはやつてゐた。秀吉は悟らないのだ。人間は子供の父になることによつて、子供よりも愚な子供になることを。 秀次を殺してみたが、秀次よりも大きな影がさらに行く手にたちこめてゐた。家康の影であつた。それは全く影だつた。つかまへることができないのだ。秀次の身体といのちは彼の我意と憎しみが掴んで引裂くことができた。然し、家康の影は、彼の現身(うつしみ)と対応せず、その凋落の跫音と差しむかひ、朝鮮役の悔恨や又諸々の悔恨の影の向ふに立つてゐた。悪童の秀吉は見えざる母の鞭の影と争つたが、その影のやうに遥かであつた。 秀吉は病床に伏し、枯木のやうに痩せ、しなびてゐた。骨をつゝむ皺だらけの皮のほかに肉があるとも見えなかつたが、不思議に心が澄んでゐた。たゞ妄執の一念だけが住んでゐた。 五大老、五奉行に誓紙をかゝせ、神明に誓ひ、秀頼への忠誠、違背あるまじきこと、血判の血しぶきは全紙に飛びちり、ぽた/\落ちた。それを棺に入れ、抱いて眠るつもりであつた。肉の朽ち白骨と化すごとく、紙も亦土に還るであらう。 秀吉は病床の枯木の骨を抱き起させ、前田利家の手をとり、おしいたゞいて、大納言、頼みまするぞ、頼みまするぞ。利家はたつた一人の親友だつた。枯木のうちに、不思議に涙はあるものだつた。 秀吉はふと目をひらいた。もつと大きな目をひらくために努力してゐるやうだつた。そして突然顔が目だけであるやうに大きくうつろな穴をあけた。古いすゝけた紙のやうに濁つて鈍く光つてゐた。朝鮮の兵隊たちを、あとはよく聞きとることが出来なかつた。殺すな、と言つたやうだつた。そして眼がだんだん閉ぢた。秀吉は死んでゐた。 底本:「坂口安吾全集 04」筑摩書房 1998(平成10)年5月22日初版第1刷発行 底本の親本:「社会 創刊号」鎌倉書房 1946(昭和21)年9月20日発行 初出:「社会 創刊号」鎌倉書房 1946(昭和21)年9月20日発行 入力:tatsuki 校正:宮元淳一 2006年5月5日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http //www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について このファイルは W3C 勧告 XHTML1.1 にそった形式で作成されています。 「くの字点」は「/\」で表しました。
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M-Tea*4_15-私は海をだきしめてゐたい/安吾巷談 ストリップ罵倒 坂口安吾 2011.11.5 第四巻 第一五号 私は海をだきしめてゐたい 安吾巷談 ストリップ罵倒 坂口安吾 imageプラグインエラー 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 【週刊ミルクティー*第四巻 第一五号】 (http //www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/171848) ※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。 (528KB) 定価:200円 p.129 / *99 出版 付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(13項目)p.194 ※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。 ※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。 ※ JIS X 0213・ttz 形式。 ※ この作品は青空文庫にて公開中です。転載・印刷・翻訳は自由です。 (c) Copyright this work is public domain. ごたまぜ! 週刊シンクレティー* 私はいつも神さまの国へ行こうとしながら地獄の門をもぐってしまう人間だ。ともかく私ははじめから地獄の門をめざして出かけるときでも、神さまの国へ行こうということを忘れたことのない甘ったるい人間だった。私は結局、地獄というものに戦慄したためしはなく、バカのようにたわいもなくおちついていられるくせに、神さまの国を忘れることができないという人間だ。私はかならず、いまに何かにひどい目にヤッツケられて、たたきのめされて、甘ったるいウヌボレのグウの音も出なくなるまで、そしてほんとに足すべらしてまっさかさまに落とされてしまう時があると考えていた。 私はずるいのだ。悪魔の裏側に神さまを忘れず、神さまの陰で悪魔と住んでいるのだから。いまに、悪魔にも神さまにも復讐されると信じていた。けれども、私だって、バカはバカなりに、ここまで何十年か生きてきたのだから、ただは負けない。そのときこそ刀折れ、矢尽きるまで、悪魔と神さまを相手に組み打ちもするし、蹴とばしもするし、めったやたらに乱戦乱闘してやろうと悲愴な覚悟をかためて、生きつづけてきたのだ。ずいぶん甘ったれているけれども、ともかく、いつか、化の皮がはげて、裸にされ、毛をむしられて、突き落とされる時を忘れたことだけはなかったのだ。 利巧な人は、それもお前のずるさのせいだと言うだろう。私は悪人です、と言うのは、私は善人ですと、言うことよりもずるい。私もそう思う。でも、なんとでも言うがいいや。私は、私自身の考えることもいっこうに信用してはいないのだから。(「私は海をだきしめていたい」より) 4_15.rm (朗読:RealMedia 形式 408KB、3'17'') milk_tea_4_15.html (html ソーステキスト版 128KB) 坂口安吾 さかぐち あんご 1906-1955(明治39.10.20-昭和30.2.17) 小説家。本名、炳五。新潟県生れ。東洋大卒。「風博士」などのファルス、「吹雪物語」など観念的な作風で知られ、第二次大戦後、在来の形式道徳に反抗して「堕落論」を唱えた。作「白痴」、評論「日本文化私観」など。 ◇参照:Wikipedia 坂口安吾、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。 私は海をだきしめてゐたい 底本:「坂口安吾全集 04」筑摩書房 1998(平成10)年5月22日初版第1刷発行 底本の親本:「文芸 第四巻第一号」 1947(昭和22)年1月1日発行 初出:「文芸 第四巻第一号」 1947(昭和22)年1月1日発行 http //www.aozora.gr.jp/cards/001095/card42909.html NDC 分類:913(日本文学/小説.物語) http //yozora.kazumi386.org/9/1/ndc913.html 安吾巷談 ストリップ罵倒 底本:「坂口安吾全集 08」筑摩書房 1998(平成10)年9月20日初版第1刷発行 底本の親本:「文藝春秋 第二八巻第一〇号」 1950(昭和25)年8月1日発行 初出:「文藝春秋 第二八巻第一〇号」 1950(昭和25)年8月1日発行 http //www.aozora.gr.jp/cards/001095/card43179.html NDC 分類:914(日本文学/評論.エッセイ.随筆) http //yozora.kazumi386.org/9/1/ndc914.html 難字、求めよ 狙う 詛《のろ》う、か? 拒諾 許諾か。 むしとりホイホイ 私は海をだきしめていたい 鳴咽 → 嗚咽 【嗚か】 ストリップ罵倒 ビラミッド → ピラミッド 【ピか】 底本未確認。 検索:鳴咽 海野十三 ヒルミ夫人の冷蔵鞄 海野十三 火薬船 海野十三 英本土上陸作戦の前夜 丘丘十郎 ヒルミ夫人の冷蔵鞄 北原白秋 邪宗門 甲賀三郎 支倉事件 坂口安吾 明治開化 安吾捕物 その九 覆面屋敷 坂口安吾 水鳥亭 坂口安吾 私は海をだきしめてゐたい 下村湖人 次郎物語 01 第一部 辻潤 頸飾り 長塚節 土 林芙美子 幸福の彼方 堀辰雄 曠野 ギ・ド・モーパッサン 頸飾り 山本勝治 十姉妹 ※ 各1件。坂口安吾「水鳥亭」のみ2件。 ※ うち、長塚節「土」・林芙美子「幸福の彼方」は底本のとおり。他は底本未確認。 検索:ビラミッド 坂口安吾 安吾巷談 08 ストリップ罵倒 谷譲次 踊る地平線 04 虹を渡る日 ※ 各1件。底本未確認。 スリーパーズ日記 10月29日(土)曇り。気温20度こえ、汗ばむ。県立博物館にて企画展「出羽国成立以前の山形」。 縄文の「縄」は、麻縄ぐらいに目が細かい。土器の表面上をただコロコロ転がしたような単純模様のくり返しには見えない。口の高さが一定なのに、紋様の水平はいかにもフリーハンド。ところが側面シルエットの曲線はロクロ作りでもあるかのような均整のとれた回転体。とても手びねりのようには思えない。内側は無紋。 当時の人たちの平均身長が現代人よりも小さかったとするならば、手先の器用な細かい細工が得意だったことは想像できる。が、土器の大きさ、総重量はそれにつりあわず異様。長距離を持ち運ぶことはできない。現代人も、書籍やら家電やらいろいろかかえこんではフットワークが鈍くなっているが、当時の人たちも同じくらい、所有物に束縛されてその土地を動けなかったろうなと想像。 炭化米。千枚田のごとく細かく区割りされた圃場。水の均一管理のためか。稲作と製塩の関係。稲作の一番最初に種籾の塩水選作業があって、収穫して食する段階でも塩味を効かせていたはず。稲作が内地へおよぶには、多量の塩を作って運ぶことが欠かせなかったんじゃないだろうか。 エロスがたりないなあと思っていろいろ物色していたところ、「私は海を……」に遭遇。タイトルにも魅せられた。 「ストリップ罵倒」その1、一見客の安吾が批評目的でかぶりつけば、その空気は踊り子にだって伝達しそうなもの。その2、GIが楽しんでいたのだとすれば、やはり問題は踊り子側ではなくて、安吾を含む日本人観客側の特異性ということになる。安吾のように「頭で見る」のでは結局罵倒する以外になく、こういうのは下半身で拝観するのが正しい鑑賞法ではなかろうかと。 そのうえで、起つハダカと萎えるハダカがあるのはDVDでもしかり。安吾の言うとおり、美の範疇にあるということだろう。 武光誠『日本人なら知っておきたい陰陽道の知恵』(河出書房新社、2010.11)、菊地章太『儒教・仏教・道教』(講談社、2008.12)読了。 道教初期の太平道は河北省(現在の北京一帯)におこり、五斗米道は四川省の成都近郊の鶴鳴山におこる。諸葛孔明の本貫(本籍地)は山東省らしいが、三顧の礼で劉備らが訪ねたときは荊州(河南省)にいる。孔明は劉備にまず荊州・益州を領有することをすすめる。この益州が現在の四川省にあたり、五斗米道の指導者・張魯が勢力をはっていた。 215年(建安20)曹操は漢中に攻め込んで張魯を降伏させる。その後の待遇から察するに、曹操は張魯や五斗米道を重用したといっていいだろう。五斗米道は正一教となって現在まで続くことになる。(幸田露伴「道教について」) 2008年5月の四川省大地震(M8.0)では、報道によれば道教施設にも大きな被害があったと聞く。いままで気がつかなかったが、大地震のおこったところにたまたま道教施設があったと考えるよりもむしろ、地殻変動の顕著な場所だからこそ道教の発祥地のひとつとなったということか。 2011.11.7:公開 ノーマル希望な玲瓏迷人。 2011.11.10:更新 涅槃林檎は電気執事の夢を見るか? 目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99 転載・印刷・翻訳は自由です。 カウンタ: - ポメラ、出してきましたな。♪ポメ〜ラ、ポメ〜ラ、ポメ〜ラ。 -- しだ (2011-11-08 23 23 54) 「鳴咽」と「ビラミッド」の検索対象は、これまでどおり『青空文庫全』「作家別テキストファイル」です。 -- しだ (2011-11-10 01 57 17) 新型ポメラ DM100、性能は申し分なし。しかし価格が……。中古ノートパソコン買えるし。 -- しだ (2011-11-10 01 59 05) 名前 コメント
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更新日:2012-07-15 作者名: 坂口 安吾 読 み: さかぐち あんご 作 品: 「不良少年とキリスト」 レ ス: 名作文芸・ここがアヤシイ http //www2.bbspink.com/801/kako/979/979005213.html 47 名前: 風と木の名無しさん 坂口安吾「不良少年とキリスト」 坂口×太宰…。 教科書には載ってないのでsage 51 名前: 風と木の名無しさん 47 私もあれ読んだ時は萌えた~!! せつねえ~!! ▲PAGETOP 今日: - 昨日: - 合計: -
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ゲーム内容解説動画 ゲームの作者様によるゲーム内容解説動画です。 http //www.nicovideo.jp/watch/sm14033261 http //www.nicovideo.jp/watch/sm14215645 その他、ニコニコ動画には素晴らしい攻略動画が沢山投稿されています。 攻略に行き詰ったら参考にして下さい。 タグ「Incubator」でニコニコ動画を検索 MAIKA (2016-03-04 20 12 21) コメント
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#blognavi 坂口安吾を読んだ。 『いづこへ』『戦争と一人の女』『二十七歳』『三十歳』 いずれも坂口安吾の自伝的、私小説的な物語だ。 『堕落論』『文学のふるさと』『日本文化私観』『不良少年とキリスト』など大学生の頃、坂口安吾の言葉に何度救われたかわからない。 今僕は35歳で、看護学校の3年生で、心身ともにポンコツな状態だ。 鬱病は良くなってるのか悪くなってるのか、いまいちよくわからない。状態としては悪くなってるのかもしれないけれど、悪い状態というものに慣れた、というのもある。 不眠と聴覚過敏というのは前からあった。最近はそれに視調節障害とパニック発作が加わった。視調節障害は、とにかく目が疲れて焦点が合わない。夜は街灯とか車のヘッドライトとかやたら眩しく見えるのに、その他はぼんやりとして捉えることができない。ちょうど発熱した時に見る景色のように。それはちょっと童話の世界のようにも(狂人が見ている世界のようにも)見える。なんとなくだけど、瞳孔が開きすぎているカンジがする。パニック発作はそれほど強烈なものじゃないけれど、昨日美容院で髪を洗ってもらう時、ガーゼをかぶせられて呼吸が止まるようなカンジがして、パニックになった。物凄い動悸がしたけど、深呼吸をしてなんとかしのいだ。視調節障害とパニック発作は、明らかに今まで見られない症状だった。 実習中薬漬けで、いつも頭がぼーっとしていたから、とにかく薬を切りたかった。マイスリーとデパスをやめた。6週間の実習、打ち上げ、朝霧JAMの反動もあったのだと思うけど、一気に調子を崩してしまった。3ヶ月ぶりにまた抗鬱剤を飲み始めた。 実習中から坂口安吾を読むようになっていた。大学時代と同じように、僕は苦しくて、切なかった。坂口安吾の言葉、彼の強さを欲した。『FARCEに就て』は大学生の頃初めて『堕落論』を読んだ時のように、僕に力を与えてくれた。坂口安吾は腕っ節が強くて、不良だから、背中をそっと押してくれるというカンジじゃない。もっと暴力的で、野球バットで頭をぶん殴られるカンジだ。「しっかりしろよ!」って。 しっかりしろよ! これは心の底からそう思う。しっかりしろよ! しっかりしてるつもりだし、まともにやっていきたい気持ちはある。でも心が沈んでしまう。体力のなさを気力で補いながら生きてきたけど、その気力が続かない。気持ちが折れてしまう。鬱病だからと言われればそれまでなのだけど。 (ちなみに「頑張れ」って言われるのはつらくない。一番つらいのは「甘え」って言われること) 不眠とか食欲不振とか意欲減退とか倦怠感とか鬱病の症状はあるし、聴覚過敏とか視調節異常とかパニック発作とか身体的にやっかいなことにもなってる。でもそういうんじゃないんだ。僕が本当に苦しくて、切なくて、心が潰れるようになってしまうのは、そういうことじゃない。鬱病とかじゃない。『二十七歳』と『三十歳』を読んではっきりとわかったんだ。 僕は恋をしている。 あなたが、たまらなく、恋しい。 あなたを想うことがあまりにも苦しくて、つらくて、恋したことをなかったことにしようとして、心を抑圧するから、こんなになってしまったんだ。 この恋は叶わないと絶望して、一方的に連絡もとらなくなる。そんなことがこの一年半で何度もあった。でもやっぱり連絡して、返事が来て、また好きだなあと思う。そしてまた返事が遅かったり、気のない返事だったりすると絶望して連絡を絶つ。そんなことの繰り返しでどんどん悪くなってしまう。今も心は塞いでいて、あなたに連絡をとらないままだ。 鬱病とかお金がないとか本当はたいした問題じゃないんだ。僕は打ち明けることが怖くて、あなたを失うことに怯えている。心底怯えている。 だって、あなたは、今のぼくにとってすべてだから。 僕の生きる理由のすべてになってしまうから。そうなってしまうのが、たまらなく苦しい。だから僕はあなたから遠ざかろうとする。 本当は、あなたが、たまらなく、恋しい。 本当はたったそれだけのこと。 あなたが、たまらなく、恋しい。 カテゴリ [2013年10月] - trackback- 2013年10月25日 21 58 30 #blognavi
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齋藤孝 『大人のための書く全技術』 KADOKAWA 2016.3 (書く力を鍛えた40冊) 1きまぐれロボット けあし 2イソップ寓話集 岩波書店 3武士の家訓 4論文の書き方 清水 あだこ 5 『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』 岩波文庫 青森 大学 公 6レオナルド・ダ・ヴィンチ スー編 け 7文読む月日 トルストイ 地区まぐ文庫 8新編 綴方教室 豊田 9ちびまる子ちゃん 10龍馬の手紙 宮地 11万葉集 全訳注原文付 講談社文庫 中西 12新版 古事記 現代語訳付き 角川ソフィア文庫 13枕草子 講談社学術文庫 14新版 徒然草 現代語訳付き 角川ソフィア文庫 15新版 おくのほそ道 現代語訳付き 角川ソフィア文庫 16芭蕉入門 井本 講談社学術文庫 17若き数学者のアメリカ 18ラッセル幸福論 岩波文庫 対訳ラッセル 南雲堂 19英文標準問題精講 原仙作 中原補訂 (関連)英文解釈教室改訂版 伊藤 20方法序説 岩波文庫 (関連)五輪書 講談社学術文庫 21会談 牡丹灯籠 岩波文庫 (関連)円朝 小島政二郎 22ナメクジ艦隊 古金亭しんしょう ちくま文庫 23古典落語 志ん生集 ちくま文庫 24忘れられた日本人 25新版遠野物語 角川ソフィア文庫 26氷川清話 講談社学術文庫 27文語訳 新約聖書 詩篇付き 岩波文庫 28ノラや 内田 (関連)百鬼園随筆、『御馳走帖』、一病息災 29金閣寺 (関連)不道徳教育講座 30羅生門 蜘蛛の糸 杜子春 外 文春文庫 音読。今昔物語の元ネタを読む 31富嶽百景・走れメロス他 岩波文庫 女生徒、駆け込み訴え、走れメロス (関連)回想の太宰治 美智子 32日本文化私観 坂口安吾エッセイ選 講談社学術文庫 33文章読本 谷崎潤一郎 簡潔・無駄を省く 34勝手に生きろ! 35ベストセラー小説の書き方 クーンツ 36 『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』 県立 7F950ク 市立950.28ク ハンガリー出身 (関連)悪童日記、潜水服は蝶の夢を見る、 37辞書になった男 38古代マヤ・アステカ不思議大全 39新訳 君主論 中公文庫 40ツァラトゥストラ 中公文庫 大学生と音読
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養老猛司ほか 『バカにならない読書術』 朝日新書 2007.10 推薦図書 養老猛司 解剖学専門。池田清彦 生物学専門。 吉岡忍 作家の3人によるテーマ別推薦本。 (米国がわかる本) 養老:マイケル・ギルモア 『心臓を貫かれて』 ボストン・テラン 神は銃弾 あ ジェイムズ・エルロイ アメリカン・タブロイド けあし 池田:マイケル・S・ガザニガ 脳のなかの倫理 だ 矢部武 アメリカ病 あ 近藤康太郎 アメリカが知らないアメリカ けあ 吉岡:デーヴ・グロスマン 戦争における「人殺し」の心理学 だ ウィリアム・H・ホワイト 都市という劇場 あだ ニール・D・ヒックス ハリウッド脚本術 (価値観を変える本) 池田:鶴見俊輔ほか 日米交換船 けあだ 山田真 『ポル・ポト<革命>史』 虐殺と破壊の四年間 県立 8F223.5ヤ 市立 竹内一郎 手塚治虫=ストーリーマンガの起源 県立 講談社選書メチエ 吉岡:オルハン・パムク 雪 けあしだ 有須和也 『黒田清 記者魂は死なず』 県立 8F289.1ク 市立 上野千鶴子・中西正司 当事者主権 けあしだ 養老:D・タカーチ 生物多様性という名の革命 だ 増田悦佐 日本型ヒーローが世界を救う T・ノーレットランダーシュ 『ユーザーイリュージョン』 (科学を楽しむ本) 吉岡:フランス・ドゥ・ヴァール 『あなたのなかのサル』 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源 県立 市立 大学 岩坂泰信 『黄砂』 その謎を追う 県立 8F451.5イ 市立 大学451.5I96 表面に硫黄化合物(おそらく硫酸塩)がくっついたと考えられるものがしばしばある。 岩崎るりは 猫のなるほど不思議学 け 養老:岩坂 (同上) マイク・デイヴィス 感染爆発 鳥インフルエンザの脅威 けだ 矢島稔 樹液をめぐる昆虫たち けあし 池田:V・S・ラマチャンドランほか 『脳のなかの幽霊』 福岡伸一 『プリオン説はほんとうか?』 有田豊ほか 擬態する蛾 スカシバガ (ミステリー) 養老:R・D・ウィングフィールド クリスマスのフロスト あし マイ・シューヴァルほか 笑う警官 あ J・M・ジンメル 白い国籍のスパイ 池田:パトリシア・コーンウェル 真相 けあ C・J・ボックス 沈黙の森 あ 岡嶋二人 チョコレートゲーム あ 吉岡:ジム・トンプスン 取るに足りない殺人 あ 幸田露伴 幻談・観画談 だ 東野圭吾 容疑者Xの献身 (鴎外vs漱石) 池田:森鴎外 かのように 夏目漱石 夢十話 森鴎外 渋江抽斎 吉岡:堺利彦 文章速達法 夏目漱石 こころ 森鴎外 山椒大夫・高瀬舟 養老:森鴎外 空車 (中央公論社 日本の文学2 森鴎外(一)に収録) 森鴎外 ○タ・セクスアリス 陸奥宗光 蹇蹇録 (勝手にノーベル文学賞) 吉岡:スタインベック 怒りの葡萄 J・M・クッツェー 恥辱 オルハン・パムク 雪 養老:ミラン・クンデラ 存在の耐えられない軽さ ジェームズ・D・ワトソン 二重らせん アゴタ・クリストフ 悪童日記 池田:トーマス・マン 『魔の山』? T・S・エリオット 荒地 三島由紀夫 金閣寺 (旅行記を手に) 養老:中尾佐助 『秘境ブータン』 ジェレルド・ダレル 『積みすぎた箱舟』 R・オールコック 大君の都 幕末日本滞在記 あだ 池田:トニー・ホルヴィッツ 青い地図 キャプテン・クックを追いかけて け 松田忠徳 温泉教授の日本百名湯 C・R・ダーウィン ビーグル号航海記 吉岡:渡部京二 逝きし世の面影 けあし イブン・バットゥータ 大旅行記 全8巻 戸井十月 遙かなるゲバラの大地 (京都でマンガ三昧) 池田:つげ義春 海辺の叙景 荒木跳呂彦 ジョジョの奇妙な冒険 岩明均 寄生獣 全10巻 吉岡:白土三平 カムイ伝 はるき悦己 じゃりン子チエ 大島弓子 グーグーだって猫である 養老:青木雄二 ナニワ金融道 横山光輝 伊賀の影丸 高島留美子 らんま1/2 (伝記は女が書く) 吉岡:ハワード・ジン ソーホーのマルクス マルクスの現代アメリカ批評 金子光晴 西ひがし 高取英 寺山修司 過激なる疾走 養老:筒井清忠 西條八十 エプリン・フォックス・ケラー 動く遺伝子 トウモロコシとノーベル賞 北康利 『白洲次郎 占領を背負った男』 池田:高橋団吉 『新幹線をつくった男 島秀雄物語』 ボズウェル サミュエル・ヂョンスン伝 全3巻 千早耿一郎 大和の最期、それから 吉田満戦後の航跡 けあ (太宰と安吾) 養老:坂口安吾 風博士 太宰治 富嶽百景¥走れメロス 坂口安吾 石の思ひ 池田:太宰治 晩年 太宰治 斜陽 太宰治 津軽 吉岡:坂口安吾 日本文化私観 太宰治 人間失格・グッドバイ 坂口安吾 不連続殺人事件 (居酒屋で哲学を) 池田:A・N・ホワイトヘッド 過程と実在 上・下 ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 丸山圭三郎 ソシュールの思想 吉岡:エドワード・W・サイード 権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成 上・下 アルベルト・メルッチ 現在に生きる遊牧民 新しい公共空間の創出に向けて 日本国憲法 養老:デカルト 方法序説 般若心経 プラトン ソクラテスの弁明 クリトン (時代小説バンザイ) 吉岡:隆慶一郎 吉原御免状 藤沢周平 回天の門 司馬遼太郎 菜の花の沖 全6巻 養老:吉川英治 三国志 全8巻 山田風太郎 甲賀忍法帖 山本周五郎 小説 日本婦道記 池田:諸田玲子 奸婦にあらず 中村彰彦 落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎 上・下 柴田練三郎 孤剣は折れず (意外な詩人は) 養老:井上靖 井上靖全詩集 井伏鱒二 『画本 厄除け詩集』 井伏鱒二 金井田英津子挿絵 市立911.5イ シェイクスピア マクベス 池田:石原吉郎 サンチョパンサの帰郷 石川善助 亜寒帯(復刻版) 西脇順三郎 Ambarvalia 西脇順三郎詩集 吉岡:金子光晴 落下傘 アレン・ギンズバーグ 吠える(ギンズバーグ詩集に収録) 道浦母都子 道浦母都子全歌集 (唸る写真集) 池田:海野和男 蝶の飛ぶ風景 姉崎一馬ほか 皇居の森 山下和也ほか ヒロシマをさがそう、原爆を見た建物 吉岡:内山英明 東京デーモン 野町和嘉 地球巡礼 三留理男 国境を越えた子供たち 養老:宮崎学 アニマル黙示録 大石芳野 ベトナム凛と 星野道夫 森と氷河と鯨 市立図書館 019ハ
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2009.8.15 第二巻 第四号 毒と迷信 小酒井不木 若水の話 折口信夫 安吾巷談 麻薬・自殺・宗教 坂口安吾 定価:200円(税込) p.281 / *99 出版 付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(135項目)p.798 ※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。 ※ JIS X 0213・ttz 形式。 ※ この作品は青空文庫にて公開中です。翻訳・朗読・転載は自由です。 (c) Copyright is public domain. ダーウィンの進化論を、明快なる筆により、通俗的に説明せしことをもって名高い英国の医学者ハックスレーが、「医術はすべての科学の乳母(うば)だ」といったのはけだし至言(しげん)といわねばなるまい。何となれば、吾人(ごじん)の祖先すなわち原始人類が、この世を征服するために最も必要なりしことは主として野獣との争闘であり、したがって野獣を殺すための毒矢の必要、また負傷したときの創(きず)の手当(てあて)の必要などからして、医術は人類の創成とともに発達しなければならなかったからである。しかして現今の医学の主要なる部分を占(し)むる薬物療法なるものは、じつに原始人類から伝えられてきた種々の毒に関する口碑(こうひ)が基(もと)となって発達してきたものであって、この意味において、毒はすべての科学の開祖とみなしてもさしつかえないのである。本来、「薬」なる語は毒を消す意味を持ち、毒と相対峙(あいたいじ)してもちいられたものであるが、毒も少量にもちうるときは薬となり、のみならず最も有効な薬は、これを多量に用うれば最もおそろしい毒であることは周知のことである。 (「毒と迷信」より) ダーウィン Charles Robert Darwin 1809-1882 イギリスの生物学者。進化論を首唱し、生物学・社会科学および一般思想界にも影響を与えた。著「種の起原」「ビーグル号航海記」など。 ハックスレー Thomas Henry Huxley 1825-1895 トマス・ヘンリー・ハクスリー。英国の医学者。「ダーウィンのブルドッグ」の異名で知られ、チャールズ・ダーウィンの進化論を弁護した。リチャード・オーウェンとの論争においては、人間とゴリラの脳の解剖学的構造の類似を示した。 ◇参照:Wikipedia、『広辞苑』。 2_4.rm (朗読:RealMedia 形式 256KB、2'02'') #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 週刊ミルクティー*第二巻 第四号 ※ ダウンロードサイトへジャンプします。 (796KB) 小酒井不木 こさかい ふぼく 1890-1929(明治23.10.8- 昭和4.4.1) 本名、小酒井光次。愛知県海部郡新蟹江村(現・蟹江町)出身。1914年、東京帝国大学医学部卒業。推理作家、SFの先駆者。東北帝国大学教授、医学博士。スウェーデンの大衆小説作家であるサミュエル・オーギュスト・ドゥーゼの作品や、鳥井零水の号で推理小説を翻訳。1929年、38歳で急性肺炎で逝去。死後、改造社から著作集(17巻)が出版。 折口信夫 おりくち しのぶ 1887-1953(明治20.2.11-昭和28.9.3) 大阪府西成郡木津村(現在の大阪市浪速区)生まれ。民俗学、国文学、国学の研究者。釈迢空と号して詩歌もよくした。1913年12月、「三郷巷談」を柳田國男主催の『郷土研究』に発表し、以後、柳田の知遇を得る。柳田國男の高弟として民俗学の基礎を築いた。 坂口安吾 さかぐち あんご 1906-1955(明治39.10.20-昭和30.2.17) 小説家。本名、炳五。新潟県生れ。東洋大卒。「風博士」などのファルス、「吹雪物語」など観念的な作風で知られ、第二次大戦後、在来の形式道徳に反抗して「堕落論」を唱えた。作「白痴」、評論「日本文化私観」など。 ◇参照:Wikipedia、『広辞苑』、青空文庫作家別作品リスト。 底本 毒と迷信 小酒井不木 http //www.aozora.gr.jp/cards/000262/card1460.html 底本:「日本の名随筆 別巻78・毒薬」作品社 1997(平成9)年8月25日第1刷発行 底本の親本:「小酒井不木全集 第一巻」改造社 1929(昭和4)年6月 NDC 分類:?387 914 若水の話 折口信夫 http //www.aozora.gr.jp/cards/000933/card18392.html 底本:「折口信夫全集 2」中央公論社 1995(平成7)年3月10日初版発行 初出:「古代研究 第一部 民俗学篇第一」 1929(昭和4)年4月10日 NDC 分類:170 安吾巷談 麻薬・自殺・宗教 坂口安吾 http //www.aozora.gr.jp/cards/001095/card43172.html 底本:「坂口安吾全集 08」筑摩書房 1998(平成10)年9月20日初版第1刷発行 底本の親本:「文藝春秋 第二八巻第一号」 1950(昭和25)年1月1日発行 初出:「文藝春秋 第二八巻第一号」 1950(昭和25)年1月1日発行 NDC 分類:914 疑問点 毒と迷信 小酒井不木 見倣し → 見做し 【倣】 恢復すると」 → 恢復する」と、か? 載く → 戴く、か? 載いて → 戴いて、か? 以上、4件。 以上、1件。要修正。 若水の話 折口信夫 綴城郡 → 綴喜郡か? シヨモジン → シヨウモンジか? 以上、2件。 安吾巷談 麻薬・自殺・宗教 坂口安吾 三十ミり → 三十ミリ 【り】 醍《さま》し → 醒《さま》し 【醍】 以上、2件。要修正。 底本確認できるかた、よろしくお願いします。 ※ 以上3作品、あすなろさん底本確認済み。感謝です。 2009.8.16:公開 2009.9.1:更新 目くそ鼻くそ/PoorBook G3'99 翻訳・朗読・転載は自由です。 カウンタ: - ダウンロードサイトへのリンクが誤っていたので、修正しました。 -- しだ (2009-08-17 04 40 42) 「若水の話」の二件は、いずれも底本通りでした。「安吾巷談」は、ご指摘通り「ミリ」「醒」でした。2作品とも底本と同じ版で確認しました。 -- あすなろ (2009-08-24 10 53 12) あすなろさん、おひさしぶりです。ごぶさたしております。底本確認、どうもありがとうございました。NDC 分類の継続、どうもありがとうございます。 -- しだ (2009-08-26 10 44 41) こちらこそご無沙汰しております、しださん。NDC分類の方は、おかもとさんや皆さんがしっかりケアしておられるようです。私も時々お邪魔するのですが、作業のレベルを一人で落としているようで心苦しい気がしています。「毒と迷信」の底本確認、来週中にはできるかもしれません。 -- あすなろ (2009-08-26 15 53 48) 「毒と迷信」の底本を確認しました。「見倣し」は、ご指摘どおり「見做し」でした。「恢復すると」」、「載く」、「載いて」は、底本どおりでした。 -- あすなろ (2009-08-31 14 41 22) あすなろさん、底本確認、どうもありがとうございました。お手数かけました。今後も、作業していて気がついた疑問点をメモしていく予定ですので、ご都合よいときにでもおつきあいねがえましたら、よろしくお願いします。 -- しだ (2009-09-01 01 07 38) こちらの方こそ、これからもどうぞよろしくお願いいたします。 -- あすなろ (2009-09-01 07 40 08) 名前 コメント
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これまでの活動 【平成30年度】 「恋愛と近代文学」 夏目漱石「夢十夜」 芥川龍之介「秋」 泉鏡花「外科室」 川端康成「抒情歌」 菊池寛「藤十郎の恋」 太宰治「ヴィヨンの妻」 堀辰雄「麦藁帽子」 坂口安吾「恋愛論」 森鷗外「普請中」 三島由紀夫「潮騒」 堀辰雄「燃ゆる頬」 近代詩作品 泉鏡花「化銀杏」 川端康成「片腕」 「嘘と文学」 太宰治「ダス・ゲマイネ」 江戸川乱歩「人間椅子」 国木田独歩「運命論者」 三島由紀夫「サーカス」 梶井基次郎「檸檬」 谷崎潤一郎「幇間」 卒論中間発表 森鷗外「雁」 芥川龍之介「藪の中」 織田作之助「可能性の文学」 志賀直哉「范の犯罪」 坂口安吾「私は海を抱きしめてゐたい」 織田作之助「世相」 夢野久作「何んでも無い」 卒論最終報告会 石川淳「紫苑物語」 島崎藤村「破戒」 葉山嘉樹「淫売婦」 井上靖「猟銃」 【平成29年度】 「出発点の文学」 森鷗外「舞姫」 志賀直哉「清兵衛と瓢箪」 芥川龍之介「鼻」 谷崎潤一郎「刺青」 菊池寛「父帰る」 吉行淳之介「驟雨」 三島由紀夫「花ざかりの森」 坂口安吾「木枯の酒倉から」 堀辰雄「聖家族」 大江健三郎「死者の奢り」 石川淳「佳人」 樋口一葉「闇桜」 横光利一「蠅」 井上靖「猟銃」 「死の文学」 森鷗外「高瀬舟」 梶井基次郎「桜の樹の下には」 太宰治「ダス・ゲマイネ」 夏目漱石「文鳥」 葉山嘉樹「淫売婦」 泉鏡花「縷紅新草」 横光利一「春は馬車に乗って」 深沢七郎「楢山節考」 北條民雄「いのちの初夜」 志賀直哉「灰色の月」 芥川龍之介「地獄変」 原民喜「夏の花」 芥川龍之介「奉教人の死」 卒論最終報告会 大江健三郎「性的人間」 井伏鱒二「朽助のいる谷間」 泉鏡花「化鳥」 菊池寛「恩讐の彼方に」 【平成28年度】 「教科書作家・作品」 井伏鱒二「山椒魚」 中島敦「山月記」 太宰治「走れメロス」 梶井基次郎「檸檬」 太宰治「富嶽百景」 芥川龍之介「枯野抄」 宮沢賢治「なめとこ山の熊」 芥川龍之介「蜘蛛の糸」 森鴎外「最後の一句」 夏目漱石「夢十夜 第一夜」 岡本かの子「家霊」 安部公房「S・カルマ氏の犯罪」 井伏鱒二「朽助のいる谷間」 「旅と文学」 谷崎潤一郎「蘆刈」 志賀直哉「城の崎にて」 芥川龍之介「馬の脚」 萩原朔太郎「猫町」 井伏鱒二「へんろう宿」 川端康成「伊豆の踊子」 芥川龍之介「トロッコ」 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」 太宰治「秋風記」 横光利一「時間」 内田百間「道連」 梶井基次郎「闇の絵巻」 大江健三郎「孤独な青年の休暇」 卒論最終報告会 樋口一葉「にごりえ」 川端康成「雪国」 【平成27年度】 「モダニズムの文学」 芥川龍之介「羅生門」 川端康成「片腕」 中島敦「山月記」 伊藤整「イカルス失墜」 梶井基次郎「冬の蠅」 太宰治「女の決闘」 堀辰雄「不器用な天使」 横光利一「蠅」 梶井基次郎「Kの昇天」 横光利一「赤い着物」 伊藤整「生物祭」 井伏鱒二「山椒魚」 「耽美派とその周辺」 泉鏡花「外科室」 『読むための理論』 『新批評理論入門』 『新文学入門』 『生成論の探究』 谷崎潤一郎「刺青」 夢野久作「瓶詰地獄」 永井荷風「狐」 江戸川乱歩「人間椅子」 泉鏡花「夜行巡査」 卒論最終報告会 太宰治「斜陽」 谷崎潤一郎「痴人の愛」 小島信夫「アメリカンスクール」 【平成26年度】 「芥川賞作家とその周辺」 芥川龍之介 「羅生門」 石川淳 「マルスの歌」 太宰治 「逆行」 石川淳 「焼跡のイエス」 尾崎一雄 「暢気眼鏡」 安部公房 「デンドロカカリヤ」 安岡章太郎 「悪い仲間」 吉行淳之介 「鞄の中身」 菊地寛 「入れ札」 大江健三郎 「奇妙な仕事」 曽野綾子 「遠来の客たち」 大江健三郎「死者の奢り」 「文芸復興とその周辺」 江戸川乱歩 「芋虫」 牧野信一 「鬼涙村」 横光利一 「頭ならびに腹」 坂口安吾 「風博士」 井伏鱒二 「屋根の上のサワン」 谷崎潤一郎 「刺青」 川端康成 「水月」 横光利一 「機械」 太宰治 「魚服記」 卒論最終報告会 川端康成 「禽獣」 梶井基次郎 「闇の絵巻」 岡本かの子 「金魚撩乱」 夏目漱石 「文鳥」 安部公房「箱男」 遠藤周作「深い河」 【平成24年度】 「大正時代の作品」 芥川龍之介 「鼻」 谷崎潤一郎 「秘密」 志賀直哉 「范の犯罪」 芥川龍之介 「蜜柑」 横光利一 「頭ならびに腹」 江戸川乱歩 「屋根裏の散歩者」 葉山嘉樹 「セメント樽の中の手紙」 有島武郎 「一房の葡萄」 志賀直哉 「真鶴」 梶井基次郎 「路上」 川端康成 「葬式の名人」 太宰治 「走れメロス」 太宰治 「姥捨」 堀辰雄 「不器用な天使」 横光利一 「鳥」 梶井基次郎 「闇の絵巻」 坂口安吾 「風博士」 太宰治 「魚服記」 太宰治 「千代女」 林芙美子 「晩菊」 岡本かの子 「老妓抄」 田村俊子 「生血」 【平成23年度】 「教科書作家を中心に」 芥川龍之介 「蜘蛛の糸」 梶井基次郎 「檸檬」 志賀直哉 「城の崎にて」 村上春樹 「レキシントンの幽霊」 江戸川乱歩 「人間椅子」 芥川龍之介 「魔術」 円地文子 「妖」 谷崎潤一郎 「刺青」 坂口安吾 「桜の森の満開の下」 芥川龍之介 「杜子春」 夏目漱石 「文鳥」 森鴎外 「高瀬舟」 志賀直哉 「小僧の神様」 川端康成 「抒情歌」 三島由紀夫 「詩を書く少年」 【平成22年度】 「戦後派を読む」 大江健三郎 「不意の唖」 安部公房 「棒」 野間宏 「第三十六号」 梅崎春生 「蜆」 椎名麟三 「深夜の酒宴」 堀田善衛 「香港にて」 三島由紀夫 「煙草」 遠藤周作 「白い人」 安岡章太郎 「悪い仲間」 武田泰淳 「女賊の哲学」 倉橋由美子 「パルタイ」 尾崎一雄 「虫のいろいろ」 庄野潤三 「プールサイド小景」 【平成21年度】 「新感覚派とその周辺」 川端康成 「禽獣」 横光利一 「神馬」 千葉亀雄 「新感覚派の誕生」 今東光 「痩せた花嫁」 横光利一 「ナポレオンと田虫」 川端康成 「油」発表 中河与一 「刺繍せられた野菜」 久野豊彦 「ボール紙の皇帝万歳」 川端康成 「有難う」「骨拾ひ」(『掌の小説』より) 武田麟太郎 「反逆の呂律」 広津和郎 「散文芸術の位置」 片岡鉄兵 「幽霊船」 佐多稲子 「女の宿」 横光利一 「七階の運動」 中野重治 「小説の書けぬ小説家」 【平成20年度】 「〈浪漫派〉から〈耽美派〉へ」 谷崎潤一郎 「刺青」 佐藤春夫 「薔薇を恋する話」 国木田独歩 「武蔵野」 森鷗外 「文づかひ」 北村透谷 「内部生命論」 樋口一葉 「にごりえ」 泉鏡花 「化銀杏」 島崎藤村 「若菜集」 谷崎潤一郎 「母を恋ふる記」 三島由紀夫 「橋づくし」 永井荷風 「狐」 伊藤聖 「生物祭」 谷崎潤一郎 「少年」 佐藤春夫 「田園の憂鬱」 佐藤春夫 「西班牙犬の家」 三島由紀夫 「花ざかりの森」 【平成19年度】 「〈無頼派〉を読む」 坂口安吾 「風博士」 太宰治 「ヴィヨンの妻」 壇一雄 「花筐」 太宰治 「鴎」 坂口安吾 「古都」 織田作之助 「四月馬鹿」 石川淳 「黄金伝説」 織田作之助 「六白金星」 田村泰次郎 「肉体の門」 石川淳 「喜寿童女」 【平成18年度】 「モダン都市-〈東京〉の諸相-」 芥川龍之介 「蜃気楼」 国木田独歩 「武蔵野」 佐藤春夫 「美しき町」 谷崎潤一郎 「青い花」 堀辰雄 「水族館」 北原白秋 「思ひ出」 龍胆寺雄 「甃路スナップ」 伊藤整 「M百貨店」 武田麟太郎 「日本三文オペラ」 室生犀星 「チンドン世界」 【平成17年度】 「探偵小説を読む~文学のラビリンス~」 芥川龍之介 「藪の中」 泉鏡花 「外科室」 佐藤春夫 「指紋」 芥川龍之介 「開化の殺人」 谷崎潤一郎 「柳湯の事件」 太宰治 「犯人」 葉山嘉樹 「淫売婦」 坂口安吾 「アンゴウ」 黒岩涙香 〈海外からの探偵小説の流入〉 江戸川乱歩 〈乱歩「黒蜥蜴」と三島「黒蜥蜴」〉 夢野久作 「死後の恋」 横溝正史 「広告人形」 松本清張 「地方紙を買う女」 【平成16年度】 「一九二〇年代を読む」 小林秀雄 「一ツの脳髄」 井伏鱒二 「山椒魚」 葉山嘉樹 「セメント樽の中の手紙」 梶井基次郎 「冬の蝿」 堀辰雄 「眠れる人」 中野重治 「記念祭前後」 横光利一 「機械」 川端康成 「水晶幻想」 伊藤整 「生物祭」 太宰治 「道化の華」 【平成15年度】 「自然主義と反自然主義の文学」 国木田独歩 「牛肉と馬鈴薯」 島崎藤村 「藁草履」 田山花袋 「蒲団」「隣室」 島村抱月 「自然主義の価値」 正宗白鳥 「入江のほとり」 永井荷風 「新帰朝者日記」 北原白秋 「邪宗門秘曲」「片恋」「謀反」「序詩」「時は逝く」「糸車」 谷崎潤一郎 「少年」 佐藤春夫 「西班牙犬の家」 【平成14年度】 「近代文学における〈家族〉を読む」 坪内逍遥 「細君」 正宗白鳥 「老婆殺し」 横光利一 「春は馬車に乗って」 志賀直哉 「邦子」 太宰治 「ヴィヨンの妻」 安岡章太郎 「海辺の光景」 小島信夫 「抱擁家族」 【平成13年度】 「近代文学における〈異界〉を読む」 江戸川乱歩 「押絵と旅する男」 泉鏡花 「龍潭譚」 永井荷風 「狐」 谷崎潤一郎 「魔術師」 梶井基次郎 「Kの昇天」 夢野久作 「瓶詰の地獄」 萩原朔太郎 「猫町」 岡本かの子 「川」 川端康成 「水月」 井上靖 「補陀落渡海記」 【平成12年度】 「〈新しい〉文学とは何か」 横光利一 「機械」 葉山嘉樹 「セメント樽の中の手紙」 芥川龍之介 「蜃気楼」 横光利一 「皮膚」 梶井基次郎 「交尾」 川端康成 「水晶幻想」 伊藤整 「M百貨店」 岡本かの子 「金魚撩乱」